当社で取り扱う測定器の校正は、「一般校正」となります。このページでは「一般校正」で証明する理由を解説しております。
JCSSは、「Japan Calibration Service System」の略です。
日本語では、主に「計量法トレーサビリティ制度」または「校正事業者登録制度」と呼ばれています。
JCSSとは?
JCSSは、様々な「計測器」が、日本の国家計量標準に対して正確に調整・校正されていること(トレーサビリティ)を確保するための制度です。1993年の改正計量法に基づいて導入されました。
JCSSロゴ付き証明書が発行できない3つの理由
1. 認定されている「品目の定義」から外れるため(品目の壁)
JCSSの認定機関は「ノギス」「すきまゲージ」といった品目ごとに、国から認定を受けています。そしてこの定義は、JIS規格に準拠した標準的な形状を前提としています。
- ダンチノギス:ベースがノギスであっても、ジョウ(測定部)を段差用に改造した時点で、JCSSが規定する「標準的なノギス」の枠組みから外れてしまいます。
- ボールゲージ(ボール式隙間ゲージ):JCSSで認定されているすきまゲージは、通常「板状(リーフ状)」のものを指します。ボールによる点接触で測定する構造は、規定の品目外と判定されます。
2. 「測定の不確かさ」が規定通りに計算できないため(計算式の壁)
JCSSロゴ付きの証明書を発行するには、単に寸法を測るだけでなく「測定結果にどの程度の誤差の幅(不確かさ)が含まれているか」を、国から承認された計算式で厳格に算出しなければなりません。改造ノギスやボール式ゲージは、測定物を当てたときの「たわみ」や「接触面積」が標準品とは異なるため、JQA(日本品質保証機構)がJCSS用として持っている公式の計算モデルに当てはめることができません。
3. 決められた「校正手順書」通りに作業できないため(手順の壁)
JCSSは「この標準器を使い、この手順で測る」というプロセス自体が認定されていますが、独自の形状をしているため計測器の固定方法などを工夫する必要があります。しかし、そのように「独自機器に合わせて測り方を工夫・変更」した時点で、JCSSの正規手順からは外れてしまうのです。
一般校正(一般証明)が意味すること
JQAなどの機関が「一般校正なら可能」と回答するのは、「JIS規格の校正方法にはないが、国家標準につながる正確な基準器を使って校正を行ったもので、貴社のゲージの形状に合わせた測り方をして、正確な寸法を証明することは可能ですよ」という意味です。
実は、世の中で使われている専用ゲージや改造測定器の多くはJCSSの対象外であり、<strong-text”>一般校正(トレーサビリティ体系図付き)で運用するのが製造業の一般的な常識となっています。ISO9001 などの品質監査においても、「一般校正の証明書一式(成績書・トレーサビリティ体系図・基準器の証明書)」が揃っていれば、測定器の正当性は十分に証明できます。
今後の対策・アプローチ
- ■ 複数の校正会社へ「形状ベース」で問い合わせる
- 民間校正会社や、「JCSSまたはA2LAのロゴ付き証明書を出せるか?」という条件で、最初から機器の写真や図面を添付して相見積もり・技術相談を行います。
- ■ お客様(納入先)に「一般校正」での納入を打診する
- もし他社に聞いても「特殊形状なのでロゴ付きは無理(一般校正になる)」と言われた場合、これが業界の限界となります。その際は、納入先のお客様に「この機器は独自形状のため、JCSS/A2LAの対象外となります。国家標準につながるトレーサビリティ体系図を付けた一般校正にて納入になります。」とお伝えください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本件に関して、納入先へのご説明や書類の準備などでお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。






